日本製品を韓国で販売するには|バイヤー探しから初回商談までの進め方

韓国の取引先や現場に設備を納めるとき、取扱説明書や仕様書が日本語のままでは、操作や保守の担当者が正しく使えません。逆に、翻訳が不正確だと、作業手順の誤解や設定ミスにつながり、安全面にも影響します。マニュアルの翻訳は、読みやすさだけでなく、現場で正しく動けるかが問われる翻訳です。
この記事では、日本企業が韓国語マニュアル・仕様書の翻訳を依頼する前に整えておきたい点を、原稿データ、用語集、日本語原稿の見直し、安全表示、翻訳後のレビューの順にまとめます。
この記事のポイント
- 最新版の編集可能なデータと、対象読者を最初に決めます。
- 用語集と表記ルール(製品名・型番・単位)を先に整えると、品質が安定します。
- 日本語のあいまいな表現は、数値や条件で具体的にしてから翻訳に出します。
- 翻訳後は、韓国側のエンジニアや実機での確認を日程に入れます。
1. マニュアル翻訳で起こりやすい問題
| 問題 | 起こりやすい原因 |
|---|---|
| 同じ部品が文書内で別の名前になる | 用語集がなく、翻訳者や担当ごとに訳語が異なる。 |
| 手順の意味が逆に読める | 日本語の主語省略や、長い一文がそのまま訳されている。 |
| 数値・単位の取り違え | 単位表記のルールが決まっていない。 |
| 図と本文が合わない | 図内の文字や画面キャプチャが、翻訳の対象から漏れている。 |
| 版が古い原稿を訳してしまう | 最新版の確認が曖昧なまま、依頼している。 |
これらは翻訳者の力量だけでなく、依頼前の準備で防げるものが多くあります。
2. 翻訳前の準備
| 項目 | 準備の例 |
|---|---|
| 原稿データ | 最新版の編集可能なデータ(Word、InDesign等)。PDFのみの場合は、文字が読み取れる鮮明さかを確認します。 |
| 図・画面の文字 | 図面、写真、画面キャプチャ内の文字を、翻訳対象とするかを決めます。 |
| 対象読者 | オペレーター、保守担当、設計者など。読者により、文体と詳しさが変わります。 |
| 用語集・過去の訳文 | 既存の用語集や、以前に韓国語化した資料があれば共有します。 |
| 表記ルール | 製品名・型番・部品番号の扱い、単位、略語の扱いを決めます。 |
| 版数・更新範囲 | 新規か改訂か。改訂の場合は変更箇所の一覧があると効率的です。 |
3. 文書の種類別のポイント
| 文書 | ポイント |
|---|---|
| 取扱説明書 | 操作手順が中心です。手順の順序と、注意・警告の位置が変わらないようにします。 |
| 仕様書(Spec Sheet) | 数値、単位、条件の正確さが最優先です。表の構造をそろえます。 |
| 保守・点検マニュアル | 部品名、点検項目、周期の表記を統一します。 |
| 設置・据付手順書 | 作業順序と、安全に関する注意を明確にします。図との対応を確認します。 |
| 検査基準書 | 基準値、公差、合否の条件を、原文のとおりに訳します。 |
ワイエンでは、製造・エンジニアリング分野をはじめ、文書の性質や産業分野に応じて関連する実務経験をもつ翻訳者を配置し、文書の目的と文脈に合った翻訳を提供しています。サービスの概要はマニュアル翻訳のページをご覧ください。
4. 日本語原稿の見直し
日本語の取扱説明書は、読み手が文脈を補うことを前提に、主語や条件が省略されることがあります。翻訳では、省略された部分を補う必要があり、判断が分かれる箇所は誤訳のもとになります。次のような表現は、翻訳前に具体的にしておくと安心です。
| あいまいな表現 | 具体的にする例 |
|---|---|
| 「適宜、調整してください」 | 調整の頻度、基準、調整する項目を示す。 |
| 「十分に冷却してください」 | 時間や温度など、目安を数値で示す。 |
| 「しっかり締める」 | トルク値や、使用する工具を示す。 |
| 「〜の場合は」(主語なし) | 誰が・何をする場合かを、文に含める。 |
| 長い一文(複数の手順が1文) | 手順ごとに文を分け、番号を付ける。 |
5. 用語集と表記ルール
用語集は、品質を安定させるいちばん確実な方法です。製品名、部品名、機能名、画面上の表示、略語を一覧にして、翻訳者に渡します。次は一例です。現場や業界によって使い方が異なるため、実際の文書に合わせて作成してください。
| 日本語 | 韓国語の例 |
|---|---|
| 警告 | 경고 |
| 注意 | 주의 |
| 点検 | 점검 |
| 保守 | 유지보수 |
| 仕様書 | 사양서 |
- 製品名・型番・部品番号:原文のまま表記するのが一般的です。扱いを先に決めておきます。
- 単位:mm、N·m、℃などの表記をそろえます。
- 略語:初出で正式名称を示し、以降は統一します。
- 画面上の文字:実機の表示と同じ文言にそろえます。
6. 安全表示と表示要件
警告や注意の表示は、読み飛ばされると事故につながるため、位置・強調・文言を原文と同じ重さで訳すことが大切です。「警告」と「注意」のように重さの異なる表示を、取り違えないようにします。
なお、韓国で販売・使用する製品について、表示や説明書に求められる要件は、品目や用途によって異なる場合があります。ワイエンでは法務・認証等の判断は行いませんので、関係機関や専門家にご確認ください。
7. 翻訳後の確認
- 原文との照合:数値、単位、型番、手順の順序を、原文と並べて確認します。
- 韓国側エンジニアのレビュー:現場で使われる用語は、現地の担当者に確認してもらうと、通じる表現に近づきます。
- 実機・図面との照合:画面の文言や部品名が、実際のものと一致しているかを確認します。
- 修正の反映:指摘を用語集に戻し、次回以降の翻訳にも使います。
日程には、翻訳作業だけでなく、このレビューの期間も見込んでおきます。
8. 通訳との組み合わせ
設備の試運転や立会検査では、マニュアルや仕様書の用語が、現場の会話と一致していることが大切です。翻訳した資料と用語集を、現場の通訳者にも共有すると、書面と会話で同じ言葉が使われ、現場での誤解が減ります。技術通訳については産業現場の専門通訳・翻訳をご覧ください。
9. 依頼時に伝える情報
| 項目 | 内容の例 |
|---|---|
| 文書の種類 | 取扱説明書、仕様書、保守マニュアルなど。 |
| 分量とデータ形式 | ページ数、ファイルの形式。サンプルページがあると便利です。 |
| 用途・対象読者 | 韓国の取引先へ納品、現場の保守用など。 |
| 希望納期 | いつまでに必要か。レビューの期間を含めるか。 |
| 用語集・過去の訳文 | 共有できるものがあれば添付します。 |
| 機密の扱い | NDAの要否、資料の共有方法。 |
料金と納期は、分量、内容の難易度、データ形式により異なります。原稿を確認したうえで、個別にご案内します。
よくあるご質問
マニュアル翻訳の依頼前に、最初に準備するものは何ですか?
最新版の編集可能な原稿データ、対象読者(オペレーター・保守担当など)、既存の用語集や過去の訳文です。図や画面キャプチャ内の文字も、翻訳対象かどうかを先に決めます。
日本語の原稿は、翻訳前に直したほうがよいですか?
主語の省略、長い文、「適宜」「十分に」などのあいまいな表現は、訳文の誤読につながることがあります。数値や条件で具体的にしておくと、正確に訳しやすくなります。
製品名や型番は翻訳しますか?
製品名・型番・部品番号は、原文のまま表記するのが一般的です。表記ルールは、依頼時に決めておくと統一できます。
翻訳後に、韓国側のエンジニアに確認してもらえますか?
はい。韓国の現場で使われる用語は、現地のエンジニアに確認してもらうと、現場で通じる表現に近づけられます。確認の進め方は、依頼時にご相談ください。
韓国での販売に、韓国語の表示や説明書が必要ですか?
品目や用途によって、表示や説明書に関する要件が異なる場合があります。当社では判断を行いませんので、関係機関や専門家にご確認ください。
料金や納期は、どこで確認できますか?
分量、内容の難易度、データ形式により異なります。原稿を確認のうえ、個別にご案内します。お問い合わせください。
お問い合わせ
ワイエン(WAIEN)は15年以上の実務経験をもとに、韓国での通訳・翻訳・ビジネス支援を行っています。文書の種類、分量、希望納期をお知らせいただければ、内容に合わせてお見積りをご案内します。お問い合わせ受付後、担当者が1営業日以内に日本語でご連絡いたします。
事務所 釜山広域市 海雲台区 センタム中央路97、B棟604号(48058) · 電話 +82-51-983-3535 · LINE ID 299star · メール hello@waien.co.kr
最終更新日:2026年10月7日 · 本記事は一般的な情報であり、法務・認証・安全基準等の判断を行うものではありません。





















