韓国の工場でサンプルテストに立ち会うには|日本メーカーのための通訳と準備のポイント

韓国の工場に製品を紹介し、次の段階として、日本から送ったサンプルを実際のラインで試してもらう。この「サンプルテスト」の段階は、取引が具体化するかどうかを左右する重要な場面です。ところが、条件の伝え方が少し違うだけで、結果が違って見えたり、うまくいかなかった理由が分からなかったりすることがあります。
この記事では、韓国の工場でサンプルテストに立ち会うときの、テストの流れ、事前に決めること、立会での通訳の役割、数値と記録の扱い、テスト後の進め方をまとめます。ワイエン(WAIEN)の技術通訳の考え方をもとに説明します。
この記事のポイント
- 試験の目的・条件・判定基準・記録方法を、事前に文書で決めておきます。
- 立会では、条件設定、現場の質問、数値の確認を正確に伝えることが通訳の役割です。
- 通訳は試験の合否を判断しません。判断は貴社側で行います。
- 現地に行けない場合は、オンラインでの参加も選択肢です。
1. サンプルテストで起こりやすい行き違い
| 行き違い | 起こりやすい原因 |
|---|---|
| 想定と違う条件で試験される | 試験条件が口頭だけで伝わり、文書で共有されていない。 |
| 結果の見方が日韓で異なる | 判定基準や、評価する項目が合意されていない。 |
| うまくいかない理由が分からない | 現場の状況や、異常時の情報が日本側に正確に伝わっていない。 |
| 数値の取り違え | 単位や、測定方法の違いが確認されていない。 |
| 次の判断が止まる | 試験後の結果の共有と、次の行動が決まっていない。 |
こうした行き違いは、通訳の有無だけでなく、事前の取り決めで多くを防げます。
2. テストの流れ
| 段階 | 内容 | 通訳・翻訳が関わる場面 |
|---|---|---|
| ① サンプルの送付 | 日本から韓国の工場へ送る。 | 送付状、取扱説明書の韓国語化 |
| ② 受入の確認 | サンプルが届き、状態を確認する。 | 連絡、状態の確認 |
| ③ 試験条件の確認 | 目的、条件、判定基準を確認する。 | 試験計画書の翻訳、打ち合わせの通訳 |
| ④ テストの実施 | 工場のラインや設備で試す。 | 立会の通訳 |
| ⑤ 結果の確認 | 数値と状況を、日韓で共有する。 | 結果の通訳、記録の翻訳 |
| ⑥ 次の判断 | 追加テスト、条件の調整、取引の検討。 | 打ち合わせの通訳、メール・文書の翻訳 |
3. 事前に決めておくこと
試験計画書にまとめて、日韓の両方で共有すると、認識のずれを防げます。
| 項目 | 決める内容 |
|---|---|
| 目的 | 何を確かめたいか(性能、工程への適合、他の素材との比較など)。 |
| 試験条件 | 使用する設備、条件、量、環境。 |
| 判定基準 | どの結果であれば良好とするか。評価する項目と数値。 |
| 試験の回数 | 1回か、複数回か。比較の対象の有無。 |
| 記録の方法 | 数値、写真、動画、記録票の形式。 |
| 結果の共有 | いつ、誰に、どの形で結果を共有するか。 |
| 責任の分担 | 誰が準備し、誰が操作し、誰が判断するか。 |
試験計画書は、韓国語にしておくと、工場の担当者や、現場の作業者が内容を確認しやすくなります。技術的な文書はマニュアル翻訳のページもご覧ください。
4. サンプルを送る前に
- サンプルの情報を添える:品名、数量、取扱いの注意、保管方法を、韓国語でも書いた書面を添えます。
- 試験の連絡先を決める:日本側と韓国側の担当者、窓口となる連絡先。
- 到着日を共有する:到着後の確認と、試験の日程を調整しやすくなります。
- 輸送や通関の要件を確認する:製品の種類によって異なります。通関業者や専門家にご確認ください。ワイエンでは、通関・法務・税務の判断は行いません。
5. 立会での通訳の役割
サンプルテストの立会で、通訳は次のような場面を支えます。
- 試験条件の確認:当日の条件が、計画書のとおりかを、日韓で確認します。
- 現場からの質問:工場の担当者が、サンプルの扱いや、設定について質問したときに、正確に伝えます。
- 数値の読み上げと確認:測定値や設定値を、単位を含めて確認します。
- 異常時の伝達:想定と違う動きがあったとき、状況と、その場の判断を、日本側へ伝えます。
- その場の合意の確認:追加の試験を行うか、条件を変えるかなどを、日韓で確認します。
通訳は、話された内容を正確に伝える役割です。試験の合否や、品質の判断は行いません。判断は貴社側で行います。ワイエンの技術通訳は、製造業の機械設計・開発部門での勤務経験をもつ通訳者が担当し、設備の動きや工程を理解したうえで、日韓のエンジニアのやり取りを調整します。立会検査の基準料金などは、産業現場の専門通訳・翻訳をご覧ください。
6. 数値と記録の扱い
- 単位をそろえる:mmとμm、℃、圧力、速度など、単位の取り違えがないよう、最初に確認します。
- 測定方法を確認する:同じ名前の測定でも、方法が違うと、数値が変わることがあります。
- 記録を残す:数値、写真、動画、メモを、日付と条件とあわせて残します。撮影の可否は、工場のルールを事前に確認します。
- その場で確認する:分からない点は、テスト中に聞き返し、日韓の認識を合わせます。
工場の撮影・録音のルール、安全装備、立入エリアは、工場ごとに異なります。韓国の工場視察・品質監査に通訳を手配するときのガイドもあわせてご覧ください。
7. 現地に行けない場合
日本のエンジニアが現地に行けないときは、オンライン会議で試験の様子を共有しながら、通訳を入れて進める方法があります。通信環境、カメラの位置、画面の映し方、機材を、事前に確認しておきます。会議が1時間を超える場合は、通訳者の交替が必要になります。詳しくは韓国語オンライン商談の通訳ガイドをご覧ください。
8. テスト後の進め方
- 結果をまとめる:数値、状況、気づいた点を、日韓で共有できる形にします。
- フィードバックを受ける:工場の担当者の評価、課題、要望を聞きます。
- 次の行動を決める:追加テスト、条件の調整、見積り、取引の検討など。
- 連絡を続ける:資料の共有、追加の問い合わせ、日程調整、条件交渉は、テストのあとも続きます。
ワイエンは、通訳や会議が終わったあとのフォローアップも、必要に応じて支援します。実際の訪問と、サンプルテストへの立会いの例は、日本メーカーの韓国工場訪問を支援した対応事例をご覧ください。販路づくりの全体像は、日本製品を韓国で販売するにはで解説しています。
9. 料金について
立会検査(FAT/SAT)の基準料金は、次のとおりです(税別)。
| 区分 | 3時間(基本) | 1日(8時間) | 追加1時間 |
|---|---|---|---|
| 立会検査(FAT/SAT) | ¥40,000 | ¥60,000〜75,000 | ¥8,000 |
サンプルテストの立会は、試験の内容、日程、工場の地域を確認したうえで、個別にお見積りをご案内します。上記は業務内容を把握するための概算の基準単価です。プロジェクトの規模、スケジュール、現場の難易度を確認して、最終的な見積りを調整します。見積りの比べ方は、韓国語通訳の料金と見積りの見方をご覧ください。
よくあるご質問
サンプルテストには、日本側のエンジニアも立ち会う必要がありますか?
必須ではありませんが、試験条件や結果の解釈で認識がずれやすいため、立ち会うか、オンラインで参加する方法が有効です。通訳が入ることで、日本側と韓国側のやり取りを正確に伝えられます。
試験の前に、何を決めておけばよいですか?
試験の目的、条件、判定基準、試験の回数、記録の方法、結果の共有方法、責任の分担を決めておきます。試験計画書にまとめて、韓国側と共有すると、認識のずれを防げます。
通訳は、試験の合否を判断しますか?
いいえ。通訳は話された内容を正確に伝える役割で、試験の合否や品質の判断は行いません。判断は貴社側で行います。
日本のエンジニアが現地に行けない場合は、どうすればよいですか?
オンライン会議で試験の様子を共有しながら、通訳を入れて進める方法があります。通信環境や機材、画面の映し方を、事前に確認しておきます。
サンプルの輸送や通関は、相談できますか?
サンプルの輸送や通関の要件は、製品の種類によって異なります。ワイエンでは通関・法務・税務の判断は行いませんので、通関業者や専門家にご確認ください。
費用はどのように決まりますか?
試験の内容、日程、工場の地域、必要な支援の範囲により異なります。内容を確認のうえ、個別にお見積りをご案内します。
お問い合わせ
ワイエン(WAIEN)は15年以上の実務経験をもとに、韓国での通訳・翻訳・ビジネス支援を行っています。サンプルテストの内容、工場の地域、日程の目安をお知らせいただければ、必要な支援の範囲とお見積りをご案内します。お問い合わせ受付後、専任パートナーが1営業日以内に日本語でご連絡いたします。
事務所 釜山広域市 海雲台区 センタム中央路97、B棟604号(48058) · 電話 +82-51-983-3535 · LINE ID 299star · メール hello@waien.co.kr
最終更新日:2026年10月7日 · 本記事は一般的な情報であり、品質判定・通関・法務等の判断を行うものではありません。実際の条件は見積書をご確認ください。





















